都立代々木公園サイカチ - 2

2022年3月8日 代々木公園丘の広場

都立代々木公園サイカチ

▲2022年3月8日 代々木公園丘の広場

 2022年3月8日に作業部会の有志メンバーにて代々木公園内のサイカチの剪定作業と土壌改良を行いました。 枯れ枝と重なり枝を中心に不要な枝を剪定し樹形の骨格を作りました。


 土壌改良は主にエンジンコンプレッサーを使用してワカホ21袋の混入を行った。土壌の状態は柵で囲われている半径3m程度で柔らかい状態を保っていましたが、柵外はガラ混じりで踏圧を受けて締固められていた。柵内は地面から深さ30~40cm程までワカホを混ぜ込み、柵外1m程度はつぼ掘り状に縦穴を開けつつエアで土をほぐしました。
今後も定期的に同様な作業を行い、経過を観察していきたいと思っています。
代々木公園のサイカチは藪会にとってとても大事な樹に当たりますが、新たな会員も増えてきたことからここで改めて代々木公園のサイカチの説明をしたいと思います。
樹高12.0m、幹周3.3m 枝張10.0m 推定樹齢250~300年(親方)平成12年当時
サイカチの治療の経過としては平成12年3月に初めて治療して当時は樹勢が著しく衰えていてもうだめかと思われていました。樹幹には人がすっぽりと収まるほどのウロができていて鉄筋が入ったモルタルで覆われていました。そこに50袋のキノネデールを充填して不定根誘導と土壌改良を行いました。その後3年に1度ほどで再治療を繰り返し経過は良好に推移して11年後の平成23年5回目の再治療で目標を達成できたと判断して幹の不定根部分のキノネデールを撤去して開放しました。それと同時に藪会の名前が入った看板も設置して広く一般の方に知って貰うきっかけとなっています。しかしその年の台風で太枝が折損してしまう被害が発生しました。翌年の平成24年に被害部の手当を行いそれをもって一旦治療終了となりました。今回は10年ぶりに治療に当たることができましたが、今後も継続的に携われるように公園サイドと関係を保って行くことも重要です。
実はサイカチという樹木は代々木の地名の由来に関係していて「この地で代々、木(サイカチ)を栽培していたことから代々木となったそうです。
また御年100歳になられる世界的染色家の柚木沙弥郎さんが治療中のサイカチを見てインスピレーションを得て「いのちの樹」という作品を作られています。
このサイカチの様にここまでの不定根誘導が行われた樹は他に類を見ず、土地柄多くの人の目に触れる機会があり藪会の活動を広く知ってもらう為にも重要な樹と言えます。
会員でもまだ見たことがない方がいれば足を運び見ることをおすすめします。

柚木沙弥郎(ゆのき・さみろう)いのちの樹 美術手帖より御年100歳になられる世界的染色家の柚木沙弥郎さんが治療中のサイカチを見てインスピレーションを得て「いのちの樹」という作品を作られています。
▲柚木沙弥郎(ゆのき・さみろう)いのちの樹 美術手帖より

説明文:持田智彦

都立代々木公園サイカチ全景動画

代々木公園サイカチ全景動画 代々木公園サイカチ全景動画を作成しました。360度発根状況が確認できます。

都立代々木公園土壌改良インターバル撮影

代々木公園サイカチの樹勢回復を施工しました。
エアースコップを活用した土壌改良を行いました。
ワカホを表層に敷き均し、エアースコップで土壌と攪拌しながら混入しました。

施工を担当したメンバー

施工を担当したメンバー

▲施工を担当したメンバーです